家づくりを考えるきっかけの多くは、結婚や出産です。家づくりは、まさに子育ての一環とも言えるでしょう。
建築の専門家であるアート・宙の代表小椋と、教育の専門家である学習塾を運営する株式会社CbyEDTECHの山本代表による対談シリーズ。第3回目のテーマは、「子どもがお手伝いしやすいお家」です。
山本:小椋社長のお子さんはまだ小さいので、「お手伝い」はまだしませんよね。
小椋:はい、まだまだ、当分先のことです。
山本:では、お子さんが成長し、小学生や中学生になったときをイメージしてみてください。どんなお手伝いをしてくれたら、親御さんとしては嬉しいですか?
小椋:そうですね…。お皿洗いとかお風呂掃除、洗濯物を畳むとかでしょうか。
やっぱり、毎日やらなければならないような、日常ルーティンの家事を代りにやってくれたら、それがたった1日のことでも助かるなって思います。
山本:そうですよね~。
なぜこのように、子どもの「お手伝い」を話題にしたかというと、実は、お手伝いをする習慣のあるお子どもは、学力も向上するというデータがあるからなんです。
小椋:そうなんですか!?
山本:お手伝いそのものが学力を直接高めているわけではないのですが、お手伝いすることで、役割を全うする責任感が生まれたり、お手伝いをして親御さんから褒められたりすることで、自己肯定感が高まったりするそうです。
社会人になったとき、上司から指示されないと動けない人と、自分で仕事を見つけたりつくったりして自発的に行動できる人の差も、こうしたお手伝い経験が影響していると言います。
小椋:なるほど、それは分かる気がします。お手伝いを通して備わった姿勢や考え方が、学び方にもつながっているのでしょうね。
山本:家づくりはお子さんがきっかけである方が多いのに、お子さんのお手伝いまでを見越して家づくりをされる方はほとんどいないと思います。ですから、お子さんが手伝いしやすい、または、お子さんと一緒に家事ができる家づくりを、一緒にご提案できないかな?と思いまして。
小椋:そうですね、様々な工夫ができると思います。もともと家事動線の良い設計をよく考え提案していますので、必要な動きや移動が最上限で短く、大人が使いやすいということは、身体の小さいお子さんにとってもお手伝いがしやすいはずです。
ですからその上で、子どものお手伝いがしやすい環境にどんなアプローチができるか?ですね!
山本:はい。私は道具や掃除用具を取り出しやすい「収納」も、カギをにぎっているんじゃないかって思うんです。
「Vol,4-子どもがお手伝いしやすいお家—後編」へ続く…