家づくりを考えるきっかけの多くは、結婚や出産です。家づくりは、まさに子育ての一環とも言えるでしょう。
建築の専門家であるアート・宙の代表小椋と、教育の専門家である学習塾を運営する株式会社CbyEDTECHの山本代表による対談シリーズ。5回目となる今回は、子育て世帯の家づくりについてです。
—————————————————————————————————–
山本:「子育て」と言っても段階があるので、子育て世帯の家づくりもさまざまでしょうね。
小椋:そうですね。家づくりの観点で考えれば、子育ては3ステップあると思います。お子さんが赤ちゃんから未就学児、小学生、中学生以上でしょうか。
家を建てるときは、お子さんがどの年齢かによって、その考え方が大きく変わると思います。
山本:未就学の幼いお子さんのいるご家庭の場合、その家づくりにはどんな特徴がありますか?
小椋:お子さんがまだ小さいご家庭のお客様は、小・中学生になるまでの生活はなかなか想像しづらく、赤ちゃんを目の届くところお世話する生活をイメージしながら家づくりをされます。ですから、お子さんを安心して遊ばせたりお昼寝させられたりする畳スペースを希望されることが多いですね。

山本:確かに、お子さんが中学生以上の核家族のお家では、畳スペースはあまり見ないですね。
お子さんが小学生のお家の特徴はどうでしょうか?
小椋:小学生の親御さんは、働き盛りの共働きの世代です。その上、お子さんを学校でなく習い事や塾に行かせたりして、食事の支度や送り迎えをはじめ、お子さんのスケジュールに合わせ動かなければならない生活をされるお家が多いと思います。
ですから、子育てや家事が楽な生活動線を最優先にした間取りを考えられますね。ファミリークローゼットやランドリースペースの広さに確保も、こうした世帯に多く見られます。

山本:お子さんが中学生以上にもなれば、親御さんの手がかかることもほとんどなくなるでしょが、何か違いがありますか?
小椋:中高生や大学生の場合、自分の空間が必要になりますから、子ども部屋(個室)をしっかりつくりますし、個でモノも増えるでしょうから、部屋に収納をしっかり設けられます。ただし大学生にもなれば、自立してすぐに出ていくケースもありますから、必要最低限に留める方もいらっしゃるでしょう。

山本:ご夫婦とお子さんといった同じ家族構成でも、お子さんの世代で随分家づくの考え方や優先順位が変わるのですね。
弊社はオンラインの学習塾を運営しているのですが、今度は中学受験や高校受験のために、自宅で勉強する時間が長いお子さんのためのお家やお部屋づくりのアイディアやアドバイスも、ぜひいただきたいですね。