ミニマルな美に宿る静謐さ
皆さんこんにちは。
設計課の植原です。
朝夕はだいぶ涼しくなってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか?
私は最近涼しくなったので、近くのスーパーまで歩いています。
11月の健康診断までになんとか痩せたいものです…。
さて、先日金沢旅行について書きましたが、もう一つ前々から訪れたかった場所に行きました。

それは「鈴木大拙館(すずきだいせつかん)」です。
「鈴木大拙館」は、禅思想を世界に広めた仏教哲学者・鈴木大拙の思想世界を表現した文化施設です。
単なる歴史資料の展示にとどまらず、谷口吉生氏が手がけた、
余計な装飾を排した直線的かつモダンなコンクリート建築です。

室内に余計な装飾はおろか、一般的な美術館のような詳しい解説パネルも最小限に抑えられています。
知識として学ぶだけでなく、空間の静寂や余白を体で感じることができます。

周囲の本多の森の緑や斜面地、石垣といった自然景観と見事に調和し、
借景としてお互いを活かしていました。
お盆休みということもあり、来場者がとても多かったのですが、
建物の直線美と自然のコントラストが生み出す静けさに、心が落ち着く美しい空間でした。
(画像は人を消す加工をしています)

なんといってもメインの「思索空間」のプロポーションの美しさは感動的でした。
広大な浅い水盤が広がる「水鏡の庭」に浮かぶようにたたずみ、
異質に見えるボリューム感を、贅沢な空間構成が調和してくれます。

金沢は「弁当忘れても傘忘れるな」というくらい降水量が多い街ですが、
例にもれずこの日も雨でした…。
しかしながら、大拙館は雨が似合います。
水盤に落ちる雨が、建築の持つシャープな線と対照的な波紋を作り、
言葉や情報を削ぎ落とした静かな空間の中で、雨音だけが美しく響きます。

鎖樋につたわる雨まで美しく演出されています。
展示品も建築も、極限まで無駄なものを削ぎ落し、余白を見せる美しさは
谷口氏と鈴木氏の理想が共鳴しているからこそ成り立つのでしょう…。
谷口氏のミュージアム建築をこれまでいくつか見てきましたが、
個人的に抜群に美しいと思いました。
皆さんも金沢に行った際にはぜひ行ってみてください。

さて、それでは本日はこれまでにして明日からも頑張ります。
皆様と一日でも早くお会いできることを楽しみにしております。