こんにちは!
12月ももう10日。今年も残すところあとわずかとなってきました。
気温もぐっと下がってきました。年の瀬体調には気をつけていきたいと思います。
今日は最近読んだ本の話を
「天地明察」 冲方丁 著
今から350年ほど前、江戸時代前期に初の国産暦 貞享暦の作成に尽力した渋川春海という人物の半生を描いた小説です。
主人公渋川春海は囲碁棋士・天文暦学者・神道家・算術家と様々な顔を持ちかなり多才な人物だったようです。
作中では様々なことに悩み、挫折を繰り返しながら成長していく、一人の青年として描かれています。
才能もあり、行動力もあり、まわりからの信頼も厚いのですがけして自信家ではなく、むしろ常に自分に疑問を抱いているような、そんな主人公がときの幕府の中心から新しい暦作りを命令され物語が動き始めます。
当時日本では800年前に中国から伝わった宣明暦という暦が使われていました。この宣明暦という暦も非常に優れたものではあったようですが、800年のうちに暦と実際の天象に2日ほどのずれが出ていたそうです。
そこで渋川春海を中心として新たな暦(これも中国からの新しい暦をもとにしているのですが)をつくる事業が開始されます。江戸時代の日本は農業が中心の社会でしたから、暦というものは非常に重要でした。暦を新たに作るということは、社会の仕組みそのものを作り直すに等しい事業であったようです。
渋川春海は、暦を新たに作るという非常に困難かつ壮大な事業に、様々な人の助力を得て、実測と理論を幾重にも重ねながら挑戦していきます。
この小説にはもう一人渋川春海と同年代の関孝和という人物が登場します。非常に優れた算術家であり、物語の冒頭から渋川春海が尊敬し、いつか会いたいと憧れている対象です。
この作品中で一番私が心動かされた場面は、渋川春海が暦の作成に失敗し、何故そのような失敗を犯したのかさえ分からず、どん底の状態のときに、関孝和にその失敗の原因を示唆され彼に初めて会いに行く場面です。
いままで渋川春海が進めてきた暦作りが、その出発点から間違いを含んでいたという、まさに事業を根底から覆す関孝和の指摘と、それを認め、ゼロから再出発を誓う渋川春海のやりとりは、読んでいて胸が熱くなりました。
明察とは算術の問題の答えが正解であるという意味、天地明察とは天と地の理を暦によって明らかにするという渋川春海の意気込みです。
ずいぶんと長々書いてしまいましたが、とにかく小説としてとても面白く、また色々な知識を得ることができる一級品の物語です。
興味が湧かれた方は是非一読をお薦めします。




















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